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美具久留御魂神社に奉納された絵馬

印刷用ページを表示する掲載日:2018年3月5日更新
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近鉄喜志駅の南西約700メートルのところに「喜志の宮さん」の呼び名で親しまれている、美具久留御魂(みぐくるみたま)神社があります。境内一帯は、羽曳野丘陵のなかでも特に緑の美しいところで、府の自然環境保全地域に指定されています。
鳥居をくぐり参道を進むと、正面に江戸時代初期に改築された拝殿があります。拝殿には、たくさんの絵馬が奉納されており、その内の一枚は江戸時代友好親善使節として、李氏朝鮮から日本へ派遣された朝鮮通信使を描いたもので、他には岡山県邑久郡の神社に、一点残されているだけの大変珍しいものです。
絵馬は、縦98センチ、横189センチの木製で、三隻ずつ並んだ御座船が上下二段に描かれており、上段の三隻には、通信使であることを示す形名(けいめい)旗や、船内の朝鮮高官の官服、屋根に立つ随員の朝鮮帽が、赤や緑の色彩で鮮やかに描かれています。
絵馬の奉納期は「乙亥元禄八年九月吉日」(1695年)と記され、奉納者は「喜志桜井村」(現在の桜井町)「平蔵」「中兵衛」「市蔵」など11人の名前が書かれており、天和2年(1682年)に来訪した、第7回通信使を描いたものと思われます。
通信使は対馬藩の案内で、瀬戸内海から淀川を上がり、東海道で江戸に向かうルートをとっていたため、富田林とはかけ離れていましたが、この絵馬から当時通信使の評判が、庶民の間にも広く行き渡っていたことを知ることができます。
(平成元年7月号)

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