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富田林市指定文化財第3号 仲村家文書

印刷用ページを表示する掲載日:2021年1月29日更新
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【名称】 仲村家文書 (なかむらけもんじょ)

【員数】 4,649点、 附 書籍903点、板木17点、印鑑3顆、氏子札1点、酒造関係等証札類23点

【種別】 書跡・典籍・古文書

 本文書は江戸時代、富田林だけでなく河内全体における酒造の中心を担った仲村家に継承されてきた資料です。仲村家は屋号を佐渡屋と称し造り酒屋として発展し、18世紀後半には村内はもとより河内国においても最大の酒造規模を誇るに至りました。
 中世末期に寺内町として創設された富田林村は、近世には在郷町として発展しますが、その繁栄の一翼を担っていたのが酒造業です。

酒造関係資料
酒造関係資料
 江戸時代、酒造は幕府の統制下におかれており、酒造株を持っている者以外は酒造を営むことができませんでした。また、酒造に使う米の量も一人ずつ決められており、決められた量以上の酒造は禁じられていました。酒造関係資料から、河内国におけるそれぞれの村の酒造人の名前や酒造量、酒造道具の種類や数量を知ることができます。 
 河内国で造られた酒は、ほとんどは地元で消費されていましたが、わずかながら江戸にも積み出されており、富田林村で造られた酒の一部も江戸で消費されていました。
 

 仲村家は家業の発展と共に富田林における代表的商家となり、村政にも大きな位置を占め、その地位は幕末明治まで継承されました。幕末には、富田林村の庄屋と隣村毛人谷村の庄屋を兼ねることもありました。
 明治に入ると戸長、村会議員、町村制施行の明治22年(1889)4月には富田林村の初代村長をつとめました。また、酒造業の衰退とともに古道具売買や売薬請負なども手掛けていました。


「古道具行商鑑札」   明治11年(1878)12月
古道具行商鑑札の写真
 
堺県庁(堺県は明治14年に大阪府に編入合併)から古道具の行商を許可されたことを証明する札です。当時の当主である仲村一郎の名前が記されています。
 当時は古道具の行商の際には、この鑑札を必ず携帯しなければなりませんでした。


「千早街道延長請願一件」    明治22年(1889)
千早街道延長請願一件の写真

 千早街道は現在の堺市黒土町で竹内街道と分岐した後、富田林を経て千早峠を越え奈良県の五條に至る街道で、近世以来重要な交通路でした。
 明治22年10月、新堂村・富田林村・大伴村を含む沿道の9か村が富田林村村長仲村一郎を総代として、千早街道の修築費用について大阪府に請願書を提出しました。その結果、明治25年度から富田林村で東高野街道と交差する地点から西を富田林街道と呼んで、地方税で整備されることになりました。その後、千早街道から分岐して水越峠に至る街道が富田林街道に編入されました。


 仲村家文書の最も大きな特徴は、町の生活や家族に関する大量の記録で、数量のみならずその内容の豊富さにおいて注目されます。仲村家当主によって書き継がれた日記「年中録」は、村政から政治社会、自然の異変現象に関する記述をふくむとともに、とりわけ町や家の生活行事や家族の人生儀礼について詳細に記録しています。
 ここには家族の生活動向が社会や政治の変化と関連して記録され、在郷町富田林地域の町家における生活について具体的な姿をうかがうことができるほか、社会や自然の異変を人々がどう見ていたかを知る上でも注意すべき記事が多くふくまれています。

「年中録」 
年中録の写真

 


 仲村家文書にふくまれる酒造関係資料は、富田林村酒造業の河内国における位置づけ、さらには河内国酒造業の特質の一端を理解するうえで欠かせないものです。また「年中録」をはじめとする家政関係資料は、幕末期在郷町の文化・経済・社会等の各面にわたって数多くの知見を得ることができるものです。加えて、近代には南河内の中心として発展した富田林の明治期のようすをあきらかにする上で、新たな知見を得る手がかりとなる資料も含まれています。

 なお仲村家は、住宅4棟(主屋、表屋、供部屋、土蔵)及び附として普請入用帳2冊、古図2枚が、平成2年3月2日に大阪府指定文化財(建造物)に指定されています。富田林市文化財リーフレット第3号 [PDFファイル/2.1MB]

 

《もっと知りたい方へ》
『富田林市史』第2巻(富田林市、1998年)
『富田林市史』第3巻(富田林市、2004年)
『富田林市史』第5巻(富田林市、1973年)
『仲村家年中録』1(大谷女子大学資料館報告書第14冊、1986年)
『仲村家年中録』2(大谷女子大学資料館報告書第16冊、1987年)
『仲村家年中録』3(大谷女子大学資料館報告書第19冊、1988年)
『仲村家年中録』4(大谷女子大学資料館報告書第21冊、1989年)
『富田林市史研究紀要』第5号(富田林市、1976年)

 

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