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岸本忠三 大阪大学特任教授寄稿「コロナの流行について思うこと」

印刷用ページを表示する掲載日:2020年6月1日更新
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新型コロナウイルス感染症の流行を受け、本市出身で免疫学の世界的な権威である岸本 忠三 大阪大学特任教授より寄稿をいただきました。(4月30日寄稿)

コロナの流行について思うこと

新型コロナウイルス肺炎が世界的流行になっています。コロナウイルスというのは風邪のウイルスの総称ですが、このウイルスは肺に感染するため厄介なことになります。

このウイルスに感染すると抗体ができます。その抗体を測定することによって、このウイルスに感染していたかどうか分かります。PCR検査で検出されるより10倍以上の人が、抗体陽性だという報告があります。すなわち、今報告されているより10倍以上の人が無症状で感染しているということです。このウイルスは人から人へしかうつりませんから、人と余り接触しないことが重要といわれています。

もし、10倍以上の人が無症状としたら、死亡率は0・1~0・3パーセントということになり、それほど怖がらなくてもよいということになりますが、一部の人に重症の肺炎が起こり、それが急速に進むことが問題です。ウイルスの感染を防ぐのも免疫ですが、肺炎を悪くするのも免疫の仕組みです。

感染するとサイトカインと呼ばれる物質、特に我々が発見したインターロイキン6という分子が大量に出て、サイトカインストームという状態を起こし、1~2日で死に至ることがあります。現在有効と言われているのは、リウマチの治療で世界中100万人以上に使われている「アクテムラ」という薬が、このサイトカインストームを抑えて重症肺炎を治すという報告が欧米で次々と出ています。南河内のある病院でも、10例以上の人工呼吸の患者が救われた例があります。

ワクチンができ、重症の肺炎で死ななくなれば、コロナはそんなに恐れなくてもよいのではないかと思います。

この病気で分かったことは、密集という点では、一極集中の東京より人が少なく、自然の多い富田林が住むのに良い所ということではないでしょうか。

岸本忠三さん、プロフィール

岸本先生

岸本忠三さん(免疫学者、大阪大学特任教授)

富田林市名誉市民

1939年富田林市生まれ、大阪大学医学部卒業。海外経験を経て同大学細胞工学センター教授、医学部長、1997年に大学総長に就任。2003年より名誉教授、2007年より特任教授となる。

免疫学の権威であり、体の免疫力を高めるタンパク質である「インターロイキン6」の発見で知られる。

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