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発見された足跡化石

印刷用ページを表示する掲載日:2018年3月5日更新
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今年の8月、石川の河床でゾウやシカ、それにウシと思われる足跡化石が発掘されました。
石川の河床に足跡化石があることは、今まで知られていませんでしたが、富田林高校の理化部のメンバーが、滋賀県の野洲川(やすがわ)の足跡化石の発掘調査の見学をきっかけに、「きっと地元の石川でも発見されるのでは」と昭和61年から石川の化石と地質の調査を始め、昨年の夏に化石林とゾウやシカの足跡化石を発見し、新聞にも大きく報道されました。
今年の調査は、これらの足跡化石が自然の侵食によって消滅する危険があることなどから、富田林高校理化部の呼びかけで、他校の高校生や大学生、研究者などが集まり、富田林市教育委員会と共に「富田林市石川化石発掘調査団」を結成し、富田林市の授助を受けて行いました。
足跡化石が見つかった地層の年代は約100万年前のもので、大阪層群と呼ばれる地層です。
発掘調査の最大の成果は、ゾウなどが歩いた一連の足跡(行跡)が見つかったことです。なかでも、ウシが当時生息していたことが足跡からわかったのは、全国でも初めてのことです。行跡は、死後の化石でなく、生息していた動物の跡を示す点が重要で、一歩の歩幅からその動物の体長まで推測できます。さらに、メタセコイアやハンノキなどの植物化石も見つかっていて、当時の気候や植生、動物たちの生態を復元する上で重要な手がかりを得るとこができました。

(平成2年12月号)

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