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喜志遺跡の自然環境

印刷用ページを表示する掲載日:2018年3月5日更新
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 最近は、発掘調査も住居跡や溝などの遺構を発掘したり、土器や石器の出土状態を調べるだけとは限られなくなってきています。例えば、科学的な方法を使って、当時の自然環境を推定することも行われています。
昨年12月から今年の3月にかけて喜志遺跡の調査を行いましたが、その中で花粉分析という方法を使ったのもその一例です。
 すなわち、土中に残っている花粉の種類と量を知ることによって、遺跡周辺の当時の植物の様子や気候の状態を推定するのです。このときの調査で、喜志遺跡で初めて縄文時代の生活の跡が確認されていたので、とくに縄文時代の環境を推定することに重点がおかれました。そこで、縄文時代の層の花粉と、それ以降の花粉と混じらないように注意して花粉を含んだ土を取りあげ、専門の調査機関へ分析を依頼しました。
 その結果、今から約4000年前の喜志付近は、アカガシなどの常緑広葉樹林に囲まれ、ガマなど湿地性の草が茂っていたことがわかりました。
今日の喜志周辺の様子からは想像もつかないような景色が広がっていたのです。
(昭和60年12月号)

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