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オガンジ池瓦窯

印刷用ページを表示する掲載日:2018年3月5日更新
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  昨年12月から今年1月にかけて「オガンジ池瓦窯(かわらがま)」の発掘調査を行いました。
 オガンジ池は、緑ヶ丘町のすぐ上にある丘陵の谷口をせき止めて作られたかんがい用ため池で瓦窯は池の東北隅にあります。
 19年前の調査で、この瓦窯が低い丘陵の南斜面に築かれた半地下式無段登窯(のぼりがま)で、白鳳時代から天平時代にかけて使われていたことがわかっていました。
 しかし、池の水のため窯全体の調査は行われていませんでした。
 今回は、池の水が抜かれる機会に恵まれ、窯全体の調査が可能になり、この窯で焼かれた瓦が新堂廃寺の創建に使われたのかどうかということの解明も期待されていました。
 今回の調査の結果、瓦窯が何回か改造されていること、蘇我氏と関係の深い山田寺式瓦がこの窯で焼かれていたことなど、多くのことがわかりました。
 また、瓦窯の使用開始時期が飛鳥時代にまでさかのぼるかという問題については、灰や失敗品などの捨て場である灰原(はいばら)から、飛鳥時代のものらしき瓦片も見つかっていますが、時代決定の決め手になる軒丸瓦は出土していません。
 出土した瓦片を、これからさらに詳しく調べて時期を決定することになります。
(昭和61年2月号)

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