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100万年前の富田林

印刷用ページを表示する掲載日:2018年3月5日更新
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 平成元年8月、石川の河床からアケボノゾウやカズサシカの足跡化石が発見されました。
 これは数年間にわたる富田林高校理化部の地層研究や化石林の発見に基づき、「足跡化石が見つかるのではないか」という予測された調査による発見でした。これを契機に高校生や一般の市民も参加した『富田林市石川化石発掘調査団』が結成され、富田林市や大阪府の援助を得て、平成2年から平成4年の8月まで毎年夏に本格的な発掘調査が行われました。
 4年間にわたる発掘調査によって、今から約100万年前を中心にした、数10万年間にわたる富田林の自然環境の移り変わりが明らかになりました。この成果を発表するため、先月の12日にすばるホールで「足跡化石フェスティバル」が開催されました。
 100万年前は、まだ金剛山や和泉山脈は今ほど高くなかったと考えられます。この時期の富田林付近は、金剛山麓に発達した扇状地や沖積平野があったようです。そして、気候が温暖な時期には海水面が上昇して、時々海が侵入してきたようです。
 調査地周辺は、海が西の方へ後退したのちに扇状地や沖積平野が広がり、山の斜面やふもとにはトウヒやブナの森が、扇状地にはメタセコイアやハンノキの林が茂っていました。それらの間をアケボノゾウ、シカマシフゾウ(大型のシカ)。カズサシカ(小型のシカ)などの動物が水やえさを求めて歩き回り、川や後背湿地に発達する泥層にたくさんの足跡化石を残しました。
 しかし、当時復元図に描かれた以外の動物はいなかったのでしょうか。また、これらの動物はいつ、なぜ絶滅してのでしょうか。発掘調査は終わってもまだまだ疑問はたくさん残されています。
(平成6年12月号)

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