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小さなピースから

印刷用ページを表示する掲載日:2019年5月13日更新
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 本市に初の埋蔵文化財(遺跡)の調査担当者が着任してから、もうすぐ40年が経とうとしています。その間、幾人もの担当者が少しずつ地道な調査を積み重ね、本市の歴史がいろいろと分かってきました。
昭和53年時点で確認されている遺跡の数は71カ所でしたが、平成30年3月現在では164カ所と、この40年で倍以上に増えました。
また、すでに遺跡が見つかっている地域で建築行為などをする場合に提出が必要な、文化財保護法に基づく発掘届は、昭和53年では16件でしたが、平成28年には147件と約9倍になりました。

●大切な遺跡が失われるのを防ぐために
古墳や城跡などを除けば、大半の遺跡は地下に埋もれており、地上からはその存在すらも分からないことがほとんどです。遺跡があるかないかは、実際にその土地を掘ってみて、地下の状況を確認しなければ分かりません。
遺跡がまだ見つかっていない地域においても、建築行為などの前に遺跡の有無を確認するため、試掘調査への協力をお願いする場合があります。
また、遺跡が見つかっている地域だからといって、すべての場合で発掘調査になるわけではありません。周辺での調査成果などから判断して、発掘調査には至らない場合があります。どうしても遺跡の破壊が免れないと判断した場合にのみ、必要最小限の範囲に限定して、発掘調査を実施します。
遺跡は建物やお墓、水田の跡などさまざまな時代のもので構成されています。必要最小限で実施する一度の発掘調査では、遺跡の部分的な状況しか分かりません。

●地道な調査を積み重ね大きな成果へと
発掘調査で得られた成果は、ジグソーパズルのピースの一つといえます。一つ一つの小さなピースでは見えることは少なくても、40年にわたって欠けていたピースを埋めてきたことで、少しずつですが個々の遺跡全体や市内の遺跡分布といった大きな絵が見えるようになってきました。
今後も調査を積み重ね、一つ一つピースを埋めていくことで、市民の皆さんに大きな絵をお見せできるようにしていきます。
また、得られた成果を報告する機会を随時設けていきますので、引き続き、文化財保護と発掘調査へのご協力をよろしくお願いします。
(平成30年3月号) 

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