一つ、ひとつ、未来へ。（令和6年3月号）

鎮魂の祈り

未曽有の地震とそれに伴う津波で、2万人を超える死者および行方不明者が発生した東日本大震災から13年になります。震災によってお亡くなりになった方々とそのご遺族に対し、深く哀悼の意を表します。

また、本年元旦に発生した能登半島地震においては、災害関連死も含め死者240名を超え、甚大な被害となっています。現在も大阪府や府内市町村との連携により、被災地における避難所運営支援や給水活動のため、継続して市職員の派遣を行うとともに、派遣された職員による経験や教訓を今後の本市の災害対策に役立ててまいりたいと考えています。

さて、東日本大震災からの復興については、土地の造成や、災害公営住宅の建設、道路の復旧などのハード面での整備が進む一方で、原発事故の影響による避難指示区域については、現在も一部に帰還困難区域が設定されています。そして、いまなお多くの身元の判明していないご遺体や行方不明者がおられ、ご家族のもとへ帰れないままです。ひとりでも多く、1日でも早く、ご家族のもとへ帰れる日が来ることを願っております。被災者の心の復興はこれからも続いていきます。私たちはこれからも被災者の皆様に寄り添い、残してくださった教訓を風化させることなく次世代へと繋いでいかなければならないと考えています。

本市では、複雑多様化する災害の消防へのニーズの高まりや今後予測される大規模災害や救急要請等に対応するため、消防広域化を実現し、令和6年4月1日より本市を含む8市町村を構成市町村とした「大阪南消防組合」の運用をスタートし、消防力の強化をめざしてまいります。引き続き、総合的な防災・減災対策を推進し、一層「災害に強いまちづくり」に努めてまいります。

鎮魂の祈りを捧げつつ、一人でも多くの尊い命を救えるように。

富田林市長　吉村善美