鎮魂の祈り
未曽有の地震とそれに伴う津波で、2万人を超える死者および行方不明者が発生した東日本大震災から14年になります。また、本年は、戦後80年、阪神淡路大震災から30年の節目の年でもあります。平和の大切さや戦争体験、またこれまでの震災から得た教訓を、つぎの世代へ繋いでいくことが今を生きる私たちの役割であると改めて認識するところです。
さて、東日本大震災からの復興については、土地の造成や、災害公営住宅の建設、道路の復旧などのハード面での整備が進む一方で、原発事故の影響による避難指示区域については、現在も一部に帰還困難区域が設定されています。そのような中、岩手県大槌町では、本年7月に、東日本大震災の追悼施設が建設され、その施設の愛称は「あえーる」に決定したとの知らせが舞い込んできました。海のかなたへ逝ってしまった人や、故郷を離れて暮らす人々が出会え、町の未来へエールを送る場所として集えるように、という願いが込められているとのことです。
震災が与えた様々な影響による人の復興、心の復興はこれからも続いていきます。これからも私たち富田林市は、皆が心を一つにして被災した地域や人々に、末永く寄り添ってまいりたいと思います。
私たちの地域社会は、少子高齢化や人口減少が進み、人と人、人と地域のつながりが希薄化し、孤独や孤立といった課題が深刻になっていると言われています。けれども、災害は、常に私たちと隣り合わせにあります。そのことを心に留め、地域の「顔の見える関係」や「居場所」「支え合い」等の大切さを改めて見つめ直し、助け合いと支え合いのまちづくりを、共に進めていきましょう。
鎮魂の祈りを捧げつつ、一つ、ひとつ、未来へ。